尿酸を下げる薬を飲んだほうがいいのか?
結論から言いますと、次の2つの場合は、私は、尿酸を下げる薬を出さないことも多いです。
- 痛風発作がたまに出るけど、痛み止めですぐ治まる
- 尿酸の値が高いけど、痛風発作は出たことないし、腎臓は悪くない
もちろん、適応があって希望される方には、尿酸を下げる薬を処方します。
尿酸を下げる薬を飲むメリット
痛風発作が、ほぼ出なくなる
尿酸を下げる薬を飲んでいても痛風発作が出る人もいますが、ほとんどの人は薬を飲んでいれば発作がでなくなります。
では、痛風発作が出たことないけど尿酸が高い人は?
これから出るかもしれない痛風発作の予防
効果があるそうです。とはいうものの、出るか出ないかわからない痛風発作の予防でずっと薬を飲み続けるのはメリットが少ないように思います。尿酸が高くても痛風発作が起きない人はたくさんいるので。
高尿酸血症の合併症の予防
ただ、腎臓が悪い人の中で痛風腎が原因だと診断されている人は、ほぼ見たことないです。「尿酸を下げる薬を飲んでいると透析が必要になる人が減る」とった明確なデータもありません。
大きい痛風結節ができて困っている人も、一度も見たことないです。また、結節ができても、尿酸を下げる薬を飲み続けると小さくなっていって消えるそうです。
腎臓の石の主成分が尿酸の場合は、尿をアルカリ性にする薬や尿酸を下げる薬を飲んでいると石が縮小・消失して尿管結石になりにくくなるそうです。尿管結石を繰り返している人にはアリかもしれません。
尿酸を下げる薬を飲むデメリット
ずっと飲み続けることになる
薬を飲むと尿酸の値が下がりますが、飲むのをやめると当然、
- 尿酸の値は上がる
- もともと発作があった人は、発作が出るようになる
なので、薬をやめる理由もタイミングも見つからず、ずーっと飲み続けることになります。
そして、ずっと薬を飲むということは、
医療機関に定期的に通い続ける必要がある
薬の処方と状態確認のために通院が必要です。
定期的に血液検査も必要です。尿酸の値を調べるためというよりも、薬の副作用で血が減ったり、肝臓や腎臓に障害が出たりしていないかを確認するためです。
尿酸の値そのものは、「尿酸を下げる薬を飲んでいても痛風発作を繰り返す人」については6以下に下げる方が発作が出にくくなると言われていますが、しょっちゅう調べる必要はありません。頻繁に測ってもそんなに変わりませんし、仮にあまり低くなくても発作が出ないなら下げる理由もありません。
薬の副作用がゼロではない
そうそう出るものではないですが
- 皮膚症状
- 骨髄抑制
- 腎障害
- 肝障害
といった副作用のリスクはゼロではありません。
以上より、尿酸を下げる薬をオススメするのは
- どうしても痛風発作がイヤな方
- 仕事に影響が大きく出る方など
- すでに腎臓がよくなくて、かつ尿酸値が高い方
- 腎臓が万が一悪化すると困る
たまに発作が出てもいいなら、まずは発作のたびに痛み止めで対応するのもアリです。
- 痛風発作が出たことがなく、腎臓が悪くなくて、薬を減らしたい方
- 尿酸値が高いという理由だけで、お医者さんから「薬を飲んだほうがいいですよ」と言われた方
は、尿酸を下げる薬の中止を検討してみてもいいかもしれません。
尿酸を下げる薬をやめてみたい方は、ぜひご相談ください。