実は糖尿病は、いったん病状が落ち着くと、薬をやめても血糖値が上がりにくくなる特徴があります。


また、食べるものや食べ方による血糖値への影響は大きく、少し変えるだけで即座に効果が出ます。


なので、糖尿病で薬を飲み始めても、薬の効果に加えて食べるものや食べ方を変えることで血糖値が落ち着けば、薬を減らしたりやめたりできることが多いです。



食べるもの


砂糖、精白した小麦、白米の影響が大きいです。

なかでも、砂糖の影響は特に大です。


砂糖

・ジュースやスポーツドリンク → 水かお茶


・コーヒーや紅茶に砂糖 → 無糖


・砂糖を使ったお菓子 → ナッツや炒り豆(節分の豆)


で、途端に血糖値が落ち着くことが、よくあります。



精白した小麦

スナック菓子や菓子パン(精白した小麦 + 砂糖)の影響が大きいです。


・スナック菓子 → ナッツや炒り豆(節分の豆)


・菓子パン → 食パン1/2枚やバゲット1切れ


で効果がでることが、よくあります。


・精白した小麦 → 全粒粉のパン


も、それなりに効果あり。なにより滋味があっていいですよ。食べにくければ、無塩バターと合わせると美味しくなると思います。

    

白米

おかわりを一杯へらしてみるだけで、効果がでることが、よくあります。


茶碗を小さいものに変えるのも、ひとつの方法です。


白米 → 玄米や分づき米もいいですよ。玄米はプチプチした食感と滋味があり美味しいです。浸水時間を長くとる必要がありますが、前日の晩からつけておくと簡単です。



食べ方


食べる順番、量、食事にかける時間で血糖値が変わってきます。

炭水化物はコース料理のように終盤で

おかずや汁ものを先にいただき、米や麺類は、コース料理のように終盤に食べるようにすると、同じものを食べても血糖値が上がりにくくなります。



腹八分

次の食事の前にお腹が空くくらいにしておきましょう。


昼にお腹が空くくらいの朝ごはんに。晩にお腹がすくくらいの昼ごはんに。朝にお腹が空くくらいの晩ごはんに。


八分と思っていると八分で止まらないので、六分くらいが現実的かもしれません。


あるいは、一日三食でなく、二食や一食にしてみるのもアリです。体質や労働環境にもよりますし、糖尿病の治療中の方は主治医と相談してからでないとダメですが。


一食抜くことで血糖値も体調もよくなる方は、わりとおられます。一食抜いて体調がよくなるのは、満腹では無い状態の方が楽だからです。満腹は、たまのご馳走にはよいですが、しょっちゅう満腹だとしんどいです。「満腹はしんどい」と一度でも自覚すると、食に関する行動が変わるように思います。



目を閉じて、ゆっくり味わう

まず、肩の力を抜き、目を閉じて、深い呼吸をします。


目を開いて、飲み物や食べ物をとり、口に近づけたところで再び目を閉じ、香りを感じます。


目を閉じたまま、飲み物や食べ物を口に入れ、舌の上に置いたまま香りと触感に集中します。


目を閉じたまま、ゆっくり咀嚼しながら、少しずつ味や香り、触感が変わっていく様子を見つめます。


飲み込んで口が空になったら、目を閉じたまま、しばらく余韻を感じます。



一度やってみてください。同じ食べ物や飲み物でも何倍も楽しめます。


食事を「時間になったら行うルーチン」でも「空腹を解消する作業」でもなく、「 豊かな恵みを感じる時間」に変えることができて、オススメです。


結果としてゆっくり食べることになり、血糖値が上がりにくくなります。

噛む回数を数えたり、食事時間をタイマーで計ったりする無機質な方法より、断然オススメです。



また、複数人での食事では、つい話しながら無意識にパクパクと食べてしまって味はあまり覚えていなかったりしますが、


「食を楽しむことと会話とを分ける」


ことができると、食を深く楽しみつつ、ゆっくり食べることもできて、オススメです





砂糖を使わない味や、全粒粉、玄米の味は、慣れれば深みがあって美味しいです。


腹八分にすることや、目を閉じてゆっくり味わうことは、調子がよく豊かな時間を無料で手軽に増やせます。


どちらも、糖尿病の方に限らず、食をもっと楽しみたい方、体調を整えたい方にもオススメです。



糖尿病は、いったん薬をはじめても、病状が落ち着いたあとに薬を中止できることが生活習慣病の中で最も多い状態だと感じています。


「血糖が高いと言われたけど、薬は飲みたくないしなぁ」という方は、是非ご相談ください。