HPVワクチンは、主に女子中学生を対象とした、子宮頸がんを予防するためのワクチンです。お子様・お孫様が女子で小学校高学年〜中学生の方も、是非お読みください。


ワクチンの概要は、厚生労働省のページによくまとまっているので、ご覧ください。

 ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がん(子宮けいがん)とHPVワクチン~ 厚生労働省

 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/index.html


対象者や接種の流れなどは京都市のページをご覧ください。

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期予防接種について 京都市

 https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000151140.html



以下、重要部分を解説します。



主に女子中学生が対象

小学6年生(12歳となる日に属する年度の4月1日)から高校1年生相当(16歳となる日の属する年度の3月31日)の女性が対象です。


公費でまかなわれるため、無料です。



子宮頸がんのリスクが減る

HPVワクチンを1万人が受けると、受けなければ子宮頸がんになっていた約70人ががんにならなくてすみ、約20人の命が助かる、と試算されています。



3種類あるワクチンのうち、シルガード9をお勧めしています。

シルガード9はサーバリックスおよびガーダシルと比べて、防ぐHPVの型の数が多く、15歳までの接種なら接種回数が1回少ないです。



サーバリックスおよびガーダシルは、子宮頸がんをおこしやすい種類であるHPV16型と18型の感染を防ぐことができ、子宮頸がんの原因の50~70%を防ぎます。接種回数は3回です。


シルガード9は、HPV16型と18型に加え、ほかの5種類のHPVの感染も防ぐため、子宮頸がんの原因の80~90%を防ぎます。また、15歳までに接種する場合は接種回数が2回で、サーバリックスおよびガーダシルより1回少なくて済みます。


これらのことから、特段の理由がなければシルガード9がよいと考えています。



ワクチン接種のリスク

HPVワクチンだけでなくワクチン全般に共通するリスクとして、接種部位の痛みや腫れ、赤み、非常にまれながら重い症状が起きることがあります。


重い症状とは、

重いアレルギー症状:呼吸困難やじんましん等(アナフィラキシー) 

神経系の症状:手足の力が入りにくい(ギラン・バレー症候群)、頭痛・嘔吐・意識低下(急性散在性脳脊髄炎(ADEM))等

です。



また、日本でのHPVワクチン定期接種が開始された当初、ワクチンを受けた後に、広い範囲に広がる痛み、手足の動かしにくさ、不随意運動(動かそうと思っていないのに体の一部が勝手に動いてしまうこと)などを中心とする多様な症状が起きたことが報告されましたが、様々な調査研究の結果、ワクチンと多様な症状との因果関係は明らかではないと評価されました。




予約方法

接種希望日の一週間前までに、お電話もしくはWebからご予約ください。


その際、シルガード9・サーバリックス・ガーダシルのうちどのワクチンを希望されるか確認します。


医師と相談してから決めたい方は、その旨をお知らせください。後ほど医師から電話し、説明いたします。




私は学校医をしており、担当している蜂ヶ岡中学校はもちろん、近隣の中学校のHPVワクチン接種にもお役に立てると嬉しいです。